キャップ集合問題:FunSearch が 8 次元でより大きなキャップ集合を発見

大規模言語モデルが駆動するプログラム探索システムが、8 次元で既知最大のキャップ集合を与え、漸近的な下界を改良した。元の問題は未解決のまま。

問題
F3n\mathbb{F}_3^n におけるキャップ集合の最大サイズ
貢献
FunSearch(Google DeepMind) · 大規模言語モデルと自動評価によるプログラム探索
検証
査読済み(Nature、2023)構成は直接検算可能
経緯
AI による構成の発表 2023-12
出典
Nature 論文
部分的
結果
下界の改良 · 新しい構成

問題

F3n\mathbb{F}_3^n の点の集合が、x+y+z=0x + y + z = 0 を満たす相異なる 3 点 x,y,zx, y, z、すなわち一直線上に並ぶ 3 点を含まないとき、それを キャップ集合 と呼ぶ。問題は、nn 次元でキャップ集合がどこまで大きくなれるかである。

2016 年、Ellenberg と Gijswijt はキャップ集合の大きさがおよそ 2.756n2.756^n 以下であることを証明した。しかし、特定の次元における正確な最大値も、漸近的な増大率の真の値も、いまだ分かっていない。

AI が行ったこと

FunSearch は答えを直接出力するわけではない。大規模言語モデルが「キャップ集合を生成するプログラム」を繰り返し書き換え、自動評価器が採点と選別を行い、よりよいプログラムが進化を続ける。n=8n = 8 において、それまでの既知最大 496 を上回る、大きさ 512 のキャップ集合を見つけた。

さらに新しい構成の族を見つけ、漸近的な下界の増大定数を 2.2180 から 2.2202 に引き上げた。

検証の方法

構成そのものは具体的な点の集合であり、誰でも数行のプログラムで、一直線上に並ぶ 3 点がないことを数秒で確かめられる。これは数学における AI の成果のなかで最も検証しやすい種類のものだ。モデルを信用する必要はなく、検算を信用すればよい。

限界

この結果が改良したのは下界であり、8 次元におけるキャップ集合の正確な最大値は定まっていない。漸近的にも 2.2202 と 2.756 の間には大きな隔たりが残る。そのため本記録は「部分的結果」としている。

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